「サウナに通い始めてから肌がきれいになった」——SNSでそんな声を目にしたことはありませんか?近年、美容目的でサウナに通う人が急増しています。実際に、日本サウナ・スパ協会の調査では、サウナ利用者の約3割が「美肌・美容効果」を期待して通っていると報告されています。
しかし一方で、「サウナは肌を乾燥させるのでは?」「ニキビが悪化しないか心配」という不安の声も少なくありません。サウナは本当に肌に良いのでしょうか?
この記事では、サウナが肌に与える効果をニキビ・毛穴・美肌の観点から医学的に徹底解説します。正しい入り方と注意点を押さえれば、サウナはあなたの最強のスキンケア習慣になり得ます。

サウナが肌に与える5つの良い効果
サウナが美肌に良いとされる理由は、単なる体感や口コミだけではありません。皮膚科学・生理学の観点から、以下の5つのメカニズムが確認されています。
1. 血行促進による肌のターンオーバー活性化
サウナに入ると、体温の上昇に伴い血流量は通常時の約2倍にまで増加するとされています。血行が促進されると、酸素や栄養素が肌の隅々まで届きやすくなり、肌細胞の新陳代謝(ターンオーバー)が活性化します。
研究によると、ターンオーバーの正常な周期は約28日ですが、加齢やストレスによって遅延することが知られています。サウナによる定期的な血行促進は、このターンオーバーの正常化をサポートし、くすみのない明るい肌へと導いてくれます。
2. 発汗によるデトックス効果(毛穴の汚れ排出)
サウナでは1回の入浴で約300〜500mlの汗をかくといわれています。この大量の発汗が、毛穴に詰まった皮脂や老廃物、微細な汚れを内側から押し出すクレンジング効果をもたらします。
皮膚科医によると、汗腺から分泌される汗は「天然の美容液」とも呼ばれ、汗に含まれる乳酸ナトリウムや尿素は天然保湿因子(NMF)として肌のうるおいを保つ役割を果たします。日常的にエアコンの効いた環境で汗をかきにくくなっている現代人にとって、サウナでしっかり汗をかくことは肌本来の機能を取り戻す貴重な機会です。
3. HSP(ヒートショックプロテイン)によるコラーゲン生成促進
サウナの熱刺激により体内で生成されるHSP(ヒートショックプロテイン)は、美肌において注目すべきタンパク質です。HSPは、損傷した細胞を修復し、コラーゲンの生成を促進する働きがあることが複数の研究で示されています。
特にHSP70は、紫外線ダメージからの回復を助け、肌のハリや弾力の維持に寄与するとされています。慶應義塾大学などの研究グループによる報告では、HSPが増加すると肌の水分保持力が高まり、シワの予防にもつながる可能性が示唆されています。
4. 自律神経調整による肌荒れ改善
サウナの「温冷交代浴」——サウナ→水風呂→外気浴のサイクルは、交感神経と副交感神経のスイッチングを繰り返すことで自律神経のバランスを整えます。
自律神経の乱れは、肌のバリア機能の低下や皮脂の過剰分泌を引き起こし、肌荒れやニキビの原因となります。皮膚科医によると、自律神経が整うと肌のバリア機能が正常化し、外部刺激に対する抵抗力が向上するとのこと。サウナで「ととのう」体験が肌にも良い影響をもたらすのは、この自律神経調整メカニズムによるものです。
5. ストレス軽減によるホルモンバランス改善
サウナ入浴後にはコルチゾール(ストレスホルモン)の血中濃度が低下することが研究で確認されています。コルチゾールの過剰分泌は皮脂の増加やコラーゲンの分解を促進し、ニキビや肌老化の原因となります。
一方、サウナ後には「幸せホルモン」と呼ばれるエンドルフィンやセロトニンの分泌が促されることも報告されています。ストレスの軽減はホルモンバランスの改善を通じて、肌のコンディションを根本から整えてくれるのです。
サウナのニキビへの影響(良い面と悪い面)
「サウナに通ったらニキビが減った」という声がある一方で、「サウナ後にニキビが増えた」という声も存在します。実は、どちらも正しい可能性があります。ポイントはサウナ後のケアにあります。
発汗で毛穴をクレンジング → ニキビ予防
ニキビの主な原因は、毛穴に皮脂や古い角質が詰まり、アクネ菌が繁殖することです。サウナでの大量発汗は、毛穴の奥に溜まった皮脂を汗とともに押し出す「内側からのクレンジング」効果があります。
皮膚科の専門家によると、サウナでの発汗は毛穴の詰まりを物理的に解消し、ニキビの根本原因である毛穴閉塞を予防する働きが期待できるとのことです。特に、普段あまり汗をかかない人ほど、この効果を実感しやすいと言われています。
ただし汗を放置すると逆効果
ここで注意が必要です。サウナ後に汗をそのまま放置すると、汗に含まれる塩分や老廃物が肌表面に残り、雑菌の温床になります。さらに、汗が蒸発する際に肌の水分も一緒に奪われ、乾燥によるバリア機能の低下を招きます。
その結果、毛穴が再び詰まりやすくなり、かえってニキビが悪化するという悪循環に陥る可能性があります。サウナでの発汗効果を肌の味方にするか敵にするかは、サウナ後のケア次第なのです。
サウナ後のスキンケアが重要
ニキビ肌の方がサウナを活用するためのポイントは以下の通りです。
- サウナ後はすぐにシャワーで汗を洗い流す(ぬるま湯がベスト)
- 洗顔は低刺激・弱酸性の洗顔料を使い、ゴシゴシこすらない
- 洗顔後は3分以内に保湿を行い、肌のバリア機能を回復させる
- ニキビが炎症を起こしている場合は、サウナの高温が刺激になることがあるため、無理せず低温サウナやスチームサウナを選ぶ
サウナ用のスキンケアセットを持参する習慣をつけると、ニキビケアとサウナの両立がしやすくなります。

サウナの毛穴への効果
「毛穴の開き」「毛穴の黒ずみ」は、多くの方が抱える肌悩みのトップクラスです。サウナは、この毛穴トラブルに対して複合的なアプローチが可能です。
温冷交代浴による毛穴の引き締め
サウナの高温環境では毛穴が開き、その後の水風呂では毛穴がキュッと収縮します。この「開く→閉じる」のサイクルを繰り返すことで、毛穴周辺の筋肉(立毛筋)が刺激され、毛穴の引き締め効果が期待できます。
研究によると、温冷交代浴を定期的に行うことで皮膚の弾力性が向上し、たるみ毛穴の改善にも寄与する可能性があるとされています。ただし、水風呂に入る際は顔を直接つけるのではなく、冷水で顔をすすぐ程度にとどめましょう。
皮脂の溶解と排出
毛穴の黒ずみの正体は、皮脂と古い角質が混ざった「角栓」です。サウナの熱によって皮脂が軟化・溶解しやすくなり、発汗の力で毛穴の外に押し出されます。
皮膚科医によると、皮脂の融点は約30〜33℃であるため、サウナの80〜100℃という環境では皮脂が十分に軟化し、通常の洗顔では落としきれない毛穴の奥の汚れまでアプローチできるとのことです。
毛穴ケアに最適なサウナの入り方
毛穴ケアの効果を最大限に引き出すためのサウナの入り方をご紹介します。
- 入室前: ぬるま湯で顔を洗い、メイクや日焼け止めを落としておく
- サウナ中: 顔にタオルを軽くのせて直接的な熱を和らげつつ、じっくり発汗を促す
- 水風呂後: 冷水で顔を10回程度すすぎ、開いた毛穴を引き締める
- 外気浴中: この間に保湿を済ませると、毛穴が引き締まった状態で美容成分が浸透しやすい
- このサイクルを2〜3セット繰り返すのが効果的
サウナの正しい入り方について、より詳しくはこちらの記事で解説しています。
サウナで肌を傷めないための注意点
サウナは正しく利用すれば美肌の味方ですが、使い方を誤ると肌にダメージを与えるリスクもあります。以下のポイントを必ず押さえておきましょう。
脱水による乾燥リスク
サウナで大量の汗をかくと、体内の水分が急速に失われます。体が脱水状態になると肌の水分量も低下し、乾燥・かさつき・小ジワの原因になります。
研究によると、サウナ1回で約300〜500mlの水分が失われるため、サウナ前・中・後でこまめな水分補給が不可欠です。常温の水やミネラルウォーターを、1回のサウナセッションで合計500ml〜1L程度摂取することが推奨されています。
サウナ後の保湿の重要性
サウナ後の肌は、毛穴が開き、古い角質層が柔らかくなった状態です。この状態は美容成分が浸透しやすい絶好のタイミングである一方、そのまま放置すると水分がどんどん蒸発してしまいます。
皮膚科医によると、サウナ後は「肌のゴールデンタイム」とも呼べる時間帯であり、できるだけ早く(理想は5分以内に)保湿を行うことが重要です。特に、セラミドやヒアルロン酸を配合した保湿剤が効果的とされています。
おすすめのスキンケア手順
サウナ後の理想的なスキンケア手順は以下の通りです。
- ぬるま湯で汗を洗い流す(熱いお湯はNG。必要な皮脂まで奪ってしまう)
- 低刺激の洗顔料でやさしく洗顔(泡で包むように)
- 化粧水をたっぷり塗布(セラミド配合のものが特におすすめ)
- 美容液を塗布(ビタミンC誘導体やナイアシンアミド配合のものが毛穴ケアに効果的)
- 乳液またはクリームでフタをする(水分の蒸発を防ぐ)
サウナ用にトラベルサイズのスキンケアセットを用意しておくと便利です。また、サウナハットを着用することで、髪や頭皮への熱ダメージを防ぎつつ、のぼせ防止にもなります。
美肌のためのサウナの入り方(実践ガイド)
ここからは、美肌効果を最大化するための具体的なサウナの入り方をステップごとにご紹介します。
美肌に最適なサウナ温度と時間
美肌を目的とする場合、サウナの種類と温度設定が重要になります。
- ドライサウナ(80〜100℃): 1セット8〜12分が目安。HSPの生成が活発になるが、肌の乾燥リスクもあるため、顔にタオルをかけるか、サウナ前に保湿クリームを薄く塗っておくとよい
- スチームサウナ / ミストサウナ(40〜60℃): 1セット15〜20分。湿度が高いため肌への負担が少なく、乾燥肌や敏感肌の方に特におすすめ。蒸気が肌に水分を供給しながら発汗を促す
- フィンランド式サウナ(ロウリュあり): 蒸気で湿度が上がるため、ドライサウナよりも肌にやさしい。ロウリュの蒸気に含まれるアロマオイルがリラックス効果を高め、間接的に美肌に寄与する
皮膚科医によると、美肌目的であれば湿度の高いサウナのほうが肌へのダメージが少なく、初心者にも取り入れやすいとのことです。
水風呂との組み合わせ
美肌効果を高める水風呂の活用法は以下の通りです。
- 水風呂の温度は16〜20℃が理想的(冷たすぎると肌への刺激が強すぎる)
- 入水時間は30秒〜1分程度にとどめる
- 水風呂に入る前に、かけ水で体を慣らす(急激な温度変化は肌ストレスの原因に)
- 水風呂後の外気浴(休憩)が最も重要。5〜10分の休憩中に自律神経が整い、肌のバリア機能が回復する
この「サウナ→水風呂→外気浴」のサイクルを2〜3セット行うのが、美肌にとってのベストプラクティスです。
週何回がベスト?
美肌のためのサウナ頻度について、皮膚科医や研究者の間では以下のような見解が示されています。
- 初心者: 週1回から始め、肌の調子を観察する
- 慣れてきたら: 週2〜3回がHSPの生成サイクル的にも最適とされる
- 注意: 毎日のサウナ入浴は肌の乾燥リスクを高める可能性があるため、休息日を設けることが推奨される
フィンランドの東フィンランド大学の研究では、週2〜3回のサウナ利用者は、それ以下の頻度の利用者と比較して皮膚の弾力性スコアが有意に高かったという報告もあります。大切なのは、自分の肌の状態を観察しながら無理のない頻度で継続することです。
よくある質問(FAQ)
Q1. サウナに入ると肌が赤くなるのはなぜ?
A. サウナの熱によって血管が拡張し、血流が増加するためです。これは正常な生理反応であり、通常は外気浴中に自然に収まります。ただし、赤みが長時間続いたり、かゆみ・痛みを伴う場合は、熱による刺激が強すぎる可能性があります。サウナの温度を下げる、滞在時間を短くするなどの調整を行い、改善しない場合は皮膚科を受診してください。
Q2. サウナは乾燥肌の人でも大丈夫?
A. 適切なケアを行えば、乾燥肌の方でもサウナを楽しめます。ポイントは3つあります。まず、ドライサウナよりもスチームサウナやミストサウナを選ぶこと。次に、サウナ前に保湿クリームを薄く塗って肌を保護すること。そして、サウナ後は速やかに保湿ケアを行うことです。セラミドやスクワラン配合の保湿剤が乾燥肌の方には特におすすめです。
Q3. サウナとスチームサウナ、美肌効果が高いのは?
A. 美肌効果の「種類」が異なります。ドライサウナはHSPの生成促進やデトックス効果に優れ、スチームサウナは肌への保湿効果や穏やかな発汗によるクレンジング効果に優れています。乾燥肌や敏感肌の方にはスチームサウナが、オイリー肌や毛穴の詰まりが気になる方にはドライサウナがおすすめです。理想的には両方を使い分けるのがベストです。
Q4. サウナ後のおすすめスキンケアは?
A. サウナ後は肌が清潔かつ柔軟になっているため、スキンケアの浸透率が高まる絶好のタイミングです。おすすめの手順は、まずぬるま湯で汗を洗い流し、低刺激の洗顔料で洗顔。その後、セラミド配合の化粧水→ビタミンC誘導体やナイアシンアミド配合の美容液→乳液またはクリームの順で保湿します。シートマスクを活用するのも効果的です。サウナ後5分以内のケアを心がけましょう。
Q5. サウナでシミやシワは悪化する?
A. 適切に利用すれば、サウナがシミやシワを直接悪化させることはありません。むしろ、HSPの生成促進やターンオーバーの活性化により、シミの排出やシワの予防に寄与する可能性があります。ただし、サウナ後に紫外線対策をせず外出すると、バリア機能が一時的に低下した肌にUVダメージを受けやすくなります。サウナ後の外出時には必ず日焼け止めを塗ることを忘れないでください。
まとめ
サウナは、正しく活用すれば血行促進・デトックス・HSP生成・自律神経調整・ストレス軽減という5つのメカニズムを通じて、美肌に多角的にアプローチできる優れた習慣です。
ニキビ予防には発汗によるクレンジング効果が有効ですが、汗の放置は逆効果になるためサウナ後のケアが必須です。毛穴ケアには温冷交代浴が効果的で、皮脂の溶解・排出と毛穴の引き締めを同時に実現できます。
美肌のためのサウナ習慣を成功させるカギは、以下の3点に集約されます。
- こまめな水分補給で脱水を防ぐ
- サウナ後5分以内の保湿ケアで肌のゴールデンタイムを逃さない
- 週2〜3回の継続で肌のターンオーバーとHSP生成を安定させる
サウナは単なるリラクゼーションではなく、科学的根拠に基づいたスキンケア手段でもあります。ぜひ今日から、あなたのサウナ習慣に「美肌ケア」の視点を加えてみてください。
サウナの基本的な入り方やマナーについては、サウナの正しい入り方ガイドもあわせてご覧ください。